ライターとして働く上で「盗用・コピペをしないこと」は文章力のあるなしよりも大事です。
盗用・コピペを行うライターは、クライアントからも読者からも信用されません。当然、仕事も任せられなくなります。
とくに初心者ライターが受ける機会の多い「リライト案件」では、文章が「コピペのつぎはぎ」にならないよう充分注意を払う必要があります。
今回は、盗用・コピペを絶対にしてはいけない理由と、無意識のコピペを避けるための執筆のコツについて紹介します。
もくじ
ライターがコピペをしてはいけない理由
ライターは、どうして人の文章を盗用してはいけないのでしょうか?
その答えはズバリ「著作権侵害にあたるから」です。
著作権とは、文章・画像・音楽といった著作物の作者を守るための権利です。その権利を侵すことは法律により禁じられています。
著作権侵害と認められた場合には最大で10年以下の懲役または1000万円以下の罰金を課されます。これはもちろんWebサイトやブログの文章にも適用されるのです。
つまり他人の書いた文章をあたかも自分が書いたかのように発表することは、立派な法律違反。
この文章を読んでいるあなたが、万が一「どうせ誰にもバレないだろう」と思っているならば、その考えは今ここで改めるよう強くおすすめします。
コピペは必ず発覚します。その瞬間に、ライターとしてのキャリアも閉ざされる可能性が高いのです。
ライターとクライアントに、コピペがもたらす「デメリット」
盗用・コピペで作られた記事は、ライターやクライアントに次のようなデメリットをもたらします。
1.ライターとしての信用を失う
2.クライアントの評判を下げてしまう
3.サイトのSEO評価を下げてしまう
一つずつ説明していきます。
デメリット1.ライターとしての信用を失う
まず、ライター本人の信用が地に落ちることは確実です。他人の作品を平気で盗用する人に、誰が仕事を頼みたいと思うでしょうか。
当然そのクライアントからは二度と仕事を任せてもらえません。
そうした悪い話は広まりやすいもの。「危ないライター」というイメージが一度ついてしまえば、どんなに素晴らしい文章力や技術を持っていても簡単にはくつがえせないでしょう。
一回の盗作が、一生消えないレッテルになってしまう可能性も高いのです。
デメリット2.クライアントの評判を下げてしまう
評判が下がるのはライター自身だけではありません。問題の記事を掲載したサイトやクライアント企業にとっても、そのイメージは痛手です。
嘘や盗作・コピペした記事を使う企業と思われれば顧客は離れますし、協賛企業からの信頼も失います。運営を支えるスポンサーとの契約も切られてしまうかもしれません。
また、同じメディアに寄稿している同業者にも迷惑をかけてしまう可能性があります。
デメリット3.サイトのSEO評価を下げてしまう
さらにSEOの観点からも良いことがありません。
SEOとは、検索サイトで自サイトの順位を上げるための対策のこと。Webライターの仕事では、このSEOを意識したライティングが求められる場合がほとんどです。
GoogleやYahoo!などの検索サイトは、より充実したコンテンツを上位表示するためにAI(人工知能)を使って各ページの内容をチェックしています。
このAIはとても優秀で、盗用・コピペを行っていると思われるサイトをしっかり見抜き、検索されたときに「表示させない」「表示順位を落とす」といったペナルティを加えているのです。
自サイトをたくさんの人に見てほしくてライター(プロ)に依頼したのに、検索サイトからも読者からも嫌われてしまう。こんな事態になれば、クライアントとしては当然ライターの責任を追求します。
軽い気持ちで書いたコピペ記事が、多額の賠償に繋がるケースもあり得るのです。
気をつけて!「リライト」のつもりがコピペになってしまうケース
リライト案件でのNG例(盗用・コピペとみなされる例)は、次のようなものです。
リライト案件のNG例
・一部の言い回しを変えただけ
・単語を、似たような意味の単語と入れ替えただけ
・「てにをは」を変えただけ
・文末や語尾を変えただけ
・文章の順番を入れ替えただけ など
簡単に言うと「原文の面影が残っている文章」はNGです。これらは基本的に承認されませんし、一度承認されても後々問題に発展する可能性が高くなります。
在宅ライターがコピペしないためのコツ5つ
では無意識の盗用を避けるためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか? リライト案件を執筆する際に私自身が気をつけているのは、次のようなポイントです。
1.必要以上に原文を見ない
2.できるだけ広くリサーチする
3.構成は一から考える
4.自分の言葉で執筆する
5.新しい付加価値を意識する
順番に説明していきます。
(※あくまでも私個人のやり方であり、「これを行えば絶対にコピペ記事にならない」というわけではありません。参考程度に読んでください)
コツ1.必要以上に原文を見ない
クライアントがイメージしている記事(原文)は、基本的に一度目を通すだけにとどめます。とくに執筆を開始した後は、あえて原文を目に入れないよう気をつけています。
もし「ここは押さえておきたい」というポイントがあれば、メモにして残しておきます。執筆中に見返すとしても、そのメモのみです。
コツ2.できるだけ広くリサーチする
原文の情報だけを元に1本の記事を書こうとすると、内容が全く同じ記事か、原文よりも浅い記事しか書けません。
リライトという言葉に惑わされず、テーマに関連する情報は可能な限り広く集めます。
記事に折り込みたい内容を見つけたら、そのまま書き写すのではなく要点のみメモしておくのがおすすめです。
コツ3.構成を一から考える
原文の構成はいったん忘れて、構成を自分で一から練っていきましょう。
最も読みやすく内容が伝わりやすい構成を考えれば、それ自体がオリジナリティにも繋がります。
コツ4.自分の言葉で執筆する
リサーチを終えて実際に文章を書く段階に入ったら、原文はもちろんリサーチした情報も基本的には目に入れません。
構成を基に、自分の中から出てくる言葉だけをパソコンの画面に打ち込んでいきます。
このとき、要点メモだけは必要に応じて見返すことがあります。なので、リサーチの際のメモはできるだけ端的に(コピペに繋がらないように)気をつけて記述しています。
コツ5.新しい付加価値を意識する
原文も含め世の中の既存記事にはない「付加価値」を盛り込めるよう、できる限り意識しています。
たとえば、最新データや独自アンケートの結果、専門家に取材した一次情報などが付加価値の例です。
そうした情報を準備するのが難しい場合は、新しい読者ターゲットを模索したり、切り口を少しでも変えたりといった工夫を心がけています。
無料のコピペチェックツールも活用しよう!
いろいろ意識していても、偶然の一致は起きてしまうかもしれません。「知らないうちに既存の記事と似た内容になっていないか不安だ」という場合には、コピペチェックツールを使って納品前にセルフチェックするのがおすすめです。
私がいつもお世話になっているチェックツールは “CopyContentDetector”
(▶https://ccd.cloud)と “こぴらん”(▶https://copyrun.net)です。両方とも無料で使えるWebツールなので、一度試してみてください。
誠実に良い記事を書こうとする姿勢は、クライアントにもちゃんと伝わります。コピペには充分気をつけつつ、自信を持って自分の言葉を書き進めていきましょう。